借金を相続したくない方へ|相続放棄の「3ヶ月期限」を逃さないための注意点

2026年2月8日

亡くなったご親族に借金があることが判明した、あるいは長年交流がなく財産状況が全くわからない。そのような場合、検討すべきなのが「相続放棄」です。

相続放棄をすれば、プラスの財産もマイナスの財産(借金)もすべて引き継がないことになり、最初から相続人ではなかったものとして扱われます。

「3ヶ月以内」という短い期限での申立て(民法915条1項)

相続放棄ができるのは、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内です。 この期間を1日でも過ぎてしまうと、「すべての借金を背負う」ことになりかねません。

そして、相続放棄は、家庭裁判所に申述しなければなりません。提出する書類は、必ずしも難しいものではありませんが、どこまで詳しく書く必要があるか迷われる方もおられます。また、関係者の戸籍謄本なども取得して、家庭裁判所に提出しなければなりません。

「単純承認」とみなされる行為

3ヶ月以内であっても、やってはいけないことがあります。これらの行為をしてしまうと、仮に相続放棄の申述を家庭裁判所に提出しても、「単純承認」したとして、すべてを引き継がなければなりません。

  • 亡くなった方の預金を引き出して使ってしまった
  • 遺品を形見分けとして処分した
  • 亡くなった方の代わりに債務の一部を支払った

特に、相続するつもりはなくても、自然な気持ちで遺品を整理したり、亡くなった方の家を片づけたりすると、知らず知らずのうちに単純承認をしてしまうことがありますから、中が必要です。

「3ヶ月」を過ぎてしまったとき

相続放棄の3か月は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から数えますから、亡くなったことを知らなかった、先順位の相続人が相続放棄したことを知らなかったということであれば、それらを知ったときから3カ月ということになります。

しかし、亡くなったことは知っていたが、特に財産があるとは思っていなかったから、意識して相続に関係する手続きはしていなかったという場合はよくあります。その場合でも、3カ月が経過することにより、単純承認したことになってしまいます。

3カ月を過ぎてから、亡くなった方の債権者から督促状が届くこともあります。このようなときでも、例外的に3か月経過後に相続放棄できることがあります。

これらは、判例や実務上の取扱いにより認められているため、厳密にどのような場合まで例外的に相続放棄が認められるのか、不明瞭な部分もあります。家庭裁判所に相続放棄の申述を認めてもらえるよう、適切に事情を説明することが、相続放棄ができる可能性を高めることができます。